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北都鉄工創業90周年を機に敷地内の建物改修計画を行うことになり、建物の老朽度やインフラ調査、そして業務環境の課題を拾い出し「新時代にふさわしい業務空間とは?」をテーマに五年以上に渡り、施主と協議を繰り返してきた計画である。
執務空間を間仕切りの無いワンルーム空間とすることで、北都鉄工の全社員が、同一空間で執務を行える計画としている。これまで部門ごとに部屋が分かれ、コミュニケーションが取りづらかった環境をワンルームにすることで各部門の人と人の交流が生まれ、新たな「気づき」、固着した思想から思いがけない「発想の転換」、分散していた知識を結集した「全社員の知恵」を得ることにつながることを期待する。
また、日射抑制庇やブリーズソレイユによって、日射による空調負荷を低減するパッシブな環境建築を目指す計画とした。
新社屋の玄関口となる車寄せキャノピーには北都鉄工の大型橋梁溶接技術を用い、鋼板平板による折版構造とした「折り紙」のような大屋根を計画し、来訪者に北都鉄工の技術力の高さをアピールできる様に計画している。
さらなる飛躍を目指す北都鉄工の技術と知恵をグローバルに広める拠点として分散していたクレーン、橋梁、水門、メンテナンスの各部門を一つにまとめ、いろんな分野の情報やアイデアが飛び交い新たな発想を生み出す。そんなクリエイティブなワークスペースを持つ、新しい社屋を目指す計画である。
ディーズセキュリティ株式会社はダイワ通信株式会社のグループ会社であり、コーポレートミッション『Safe City構想』を掲げている。これはテクノロジーを用いて、誰もが安心・安全・便利に暮らせる "未来の街" を創造することであり、本計画では従来のフェンスで囲まれた排他的な開発とは異なり、独自の技術を活かし周囲に開けた佇まいを実現することで五郎島地域の賑わい創出に寄与したいと考えている。
形態は水平ラインを強調したデザインで統一しており、港内の穏やかで静かな水面に呼応するデザインとしている。また色彩についても彩度の高い色は用いず、他の金沢港に面した建物と同様に白を基調色としている。軒裏には木材を使用し、敷地周辺、テラスにも緑地を設ける計画としており、白を基調とした建物に樹木の自然で柔らかな色味を加えることで、海の玄関口である金沢港に相応しい自然豊かな建物を目指している。
北日商事株式会社は工業用ゴム製品を中心に、樹脂製品、配管材料等を取り扱う卸売業者で、敷地は金沢市の問屋町の一角に位置する。現社屋は築50年を過ぎ各所に経年劣化が見られ、断熱性能も当時は現在程重要視されていなかったため簡易な仕様となっていた。屋根、外壁はカバー工法により劣化部を守り、断熱材も付加することで現在の省エネ基準に適合する仕様とした。外観も当時の堅牢なデザインから一新し、2階の執務空間全体に横長連続窓を通すことで軽やかな設えとし、問屋団地の大通りに対し会社の空気感がにじみでる計画とした。執務空間はフリーアドレスを想定したつくりとしており、内装はLVLを各所に用い温かみのある空間とした。
白山市は本庁舎防災機能強化事業として防災センターを整備している。倉光二丁目地内にある市役所本庁舎の北側に隣接し増築を行っている。新施設には災害対策本部を迅速に設置できる機能を持たせる。1階は発電機室、避難施設、2階は電気室(受変電設備)、3階は防災会議室のほか本庁舎とつながる連絡通路を設置する。非常用発電設備も備える。
本庁舎の地下にある受変電設備や受水槽などが浸水被害を受けた場合に使用できなくなり、設備更新時期でもあるため、地上で新設する。近年は豪雨や大雪などの大規模な災害が増えており、
防災対応力を強化することとした。
本計画は材料切断〜溶接〜機械加工までの一貫生産体制を強みとする株式会社旭ウエルテックの新工場計画である。これまで2か所あった工場を一つの工場に集約し、生産工程に沿ったシンプルな動線を計画することでより効率的な一貫生産体制となるよう配慮した。
また、既存工場で問題となっていた溶接過程で発生するヒュームの対策として、ヒューム停滞域にエアー搬送ファンを計画し、効率的に換気できる計画としている。写真は2025年4月時点、鉄骨建方後の状況である。