岩沼市の「生涯活躍のまち」構想の核となる、地域の拠点施設である。
高齢者デイサービスや障がい者生活介護、児童発達支援といった福祉サービスに加え、地域に開かれた温泉、ウェルネス、食事処、さらに認可保育園、子育て支援センターも備える集約的規模を有する複合施設である。こどもから高齢者まで、障がいの有無や国籍によらない地域の「ごちゃまぜ」の場をつくるプロジェクトである。
岩沼市は東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた地域の一つであるが、東北の中でもいち早く復興を進めてきた街として知られる。施主である青年海外協力協会ＪＯＣＡは震災の発生直後からこのまちの復興に尽力してきた。
福祉サービスから地域の交流施設、保育園などの多様な用途は全て中庭を囲むようにコの字型に配置している。
中庭に面した建具の多くは木製の掃き出し窓で、活動が外にはみ出し、視線が相互に通ることで出会い・交流を生むことを企図している。
ＪＯＣＡ東北が地域の拠点となり、様々な人々を巻き込んで、つながりと関係の中からそれぞれが自分の役割を持つことができるまちづくりが展開されていくことを期待している。