石黒邸改修

カテゴリー 住宅
所在地 石川県金沢市
工事種別 改修
構造 木造
階数 2階
竣工 2023年5月

金沢市の指定保存建造物に指定されている「福久屋石黒傳六商店」の内部改修である。石黒家は、現当主で20代になる古い名家であり、建築年代は嘉永5年(1852年)と考えられている。表構えは低2階建てであり、大屋根は腕木構造、2階壁面は白漆喰塗で塗りごめ虫籠(むしこ)窓になっており、両袖壁が付いている。
 これまでも家族構成の変化に応じて改修を重ねてきたが、今回は3世帯がともに住まう住宅としての提案に加え、これからも皆が安心して暮らせるよう、構造補強を行った。
間仕切り変更に伴い内部を解体してみると、基礎や土台がない石場建てで、筋交い等も入っていない状況であり、柱にも反りや傾き、腐食による部材の欠損が確認された。170年の年月を経た建物に、どのように補強を行うべきか、全体のバランスを推測しながら検討を重ねた。
建物をジャッキアップして構造フレームを構築し、基礎や土台を新設、床下の防湿対策、腐食した材料の入れ替えや補強、耐力壁の新設を行った。構造体だけになった建物を見ると、これまでの改修の跡やその時代の大工の知恵や工夫などが見受けられ、全くの他人である私だがなぜか妙に嬉しかった。
内部仕上については、数寄屋造りのイメージを継承しつつ、古いものと新しいものを融合しながら、素材の持つ自然の風合いを生かした仕上とした。
これからもこの家に連綿と住み続けたいと願うお施主様の想いとともに、変化に対応しながら代々受け継がれる家となることを願う。

カテゴリー 住宅
所在地 石川県金沢市
工事種別 改修
構造 木造
階層 2階
竣工 2023年5月

金沢市の指定保存建造物に指定されている「福久屋石黒傳六商店」の内部改修である。石黒家は、現当主で20代になる古い名家であり、建築年代は嘉永5年(1852年)と考えられている。表構えは低2階建てであり、大屋根は腕木構造、2階壁面は白漆喰塗で塗りごめ虫籠(むしこ)窓になっており、両袖壁が付いている。
 これまでも家族構成の変化に応じて改修を重ねてきたが、今回は3世帯がともに住まう住宅としての提案に加え、これからも皆が安心して暮らせるよう、構造補強を行った。
間仕切り変更に伴い内部を解体してみると、基礎や土台がない石場建てで、筋交い等も入っていない状況であり、柱にも反りや傾き、腐食による部材の欠損が確認された。170年の年月を経た建物に、どのように補強を行うべきか、全体のバランスを推測しながら検討を重ねた。
建物をジャッキアップして構造フレームを構築し、基礎や土台を新設、床下の防湿対策、腐食した材料の入れ替えや補強、耐力壁の新設を行った。構造体だけになった建物を見ると、これまでの改修の跡やその時代の大工の知恵や工夫などが見受けられ、全くの他人である私だがなぜか妙に嬉しかった。
内部仕上については、数寄屋造りのイメージを継承しつつ、古いものと新しいものを融合しながら、素材の持つ自然の風合いを生かした仕上とした。
これからもこの家に連綿と住み続けたいと願うお施主様の想いとともに、変化に対応しながら代々受け継がれる家となることを願う。

PageTop